はちみつは腸内環境の改善に有効な食品です。
純粋はちみつに含まれている栄養成分の多くは、腸内環境の改善や腸内細菌の集まりである腸内フローラを良くするのに役立ってくれます。
まず、はちみつの主成分はブドウ糖と果糖であるため、スムーズに消化・吸収されるという利点があります。
普通、お菓子やケーキなどの甘い食べ物には砂糖が多く使われていますが、砂糖は果糖とブドウ糖が結合したショ糖であり、分解するのに大量の酵素を必要とします。
もし大量のショ糖が体内に入り込み、酵素によってきちんと消化されないまま腸内に止まってしまうと、消化不良を起こし、そのまま腐敗して、腸内の悪玉菌を増やしてしまう原因になってしまうのです。
そのため、腸内の悪玉菌を増やさないためには、砂糖を控えめにすることが大切なのですが、はちみつの糖分はブドウ糖と果糖に最初から分かれているため、腸内環境に優しいといえます。
また、非加熱の純粋はちみつにはアミラーゼやマルターゼなどの酵素も含まれています。酵素は食物の分解・消化に必要であるため、消化のための酵素が増えれば増えるほど、消化が活発になるため消化不良が起こりにくくなり、腸内で食物が腐敗して悪玉菌が増えるのを避けることができるようになります(酵素については「蜂蜜の免疫力効果」のページもご覧になってみてください)。
はちみつに含まれているオリゴ糖やグルコン酸には整腸作用がある
さらに、はちみつに含まれているオリゴ糖やグルコン酸も腸内環境の改善に寄与してくれます。その理由はどちらも腸内の環境を良くするビフィズス菌を増やす働きがあるからです。
ビフィズス菌とは、広い意味では乳酸菌の一種だとされており、主にヒトの腸内で善玉菌として働いています。はちみつに含まれるオリゴ糖は砂糖(ショ糖)と違い、同じ糖質でも小腸で吸収されずに大腸内まで届いて、そのビフィズス菌のエサになります。
それに加えて、有機酸の70%を占めているグルコン酸にも、ビフィズス菌を増やす働きがあると言われています。
はちみつは腸内フローラを整える
腸内の善玉菌であるビフィズス菌が増えれば増えるほど、腸内は酸性に傾き、腸内環境が整っていきます。腸は「腸管免疫」と呼ばれるほど免疫細胞の多くが集中しているため、腸内細菌のバランスが整い、腸内環境が良いほうに保たれれば、それだけ健康を維持できるようになります。
それに加え、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促されるようになり、大腸内に溜まった余計な停滞便が排出されることになるので、便秘の解消にもつながります。
また、腸内細菌の集まりの様子は「腸内フローラ」とも呼ばれ、この腸内フローラを整えることは、免疫力を高めるだけではなく、花粉症をはじめとしたアレルギー症状の緩和や生活習慣病の改善にも高い効果を発揮すると言われています。
はちみつはその「腸内フローラ」を整えるのにも役に立つ食材です。
より詳しい腸内環境のことや腸内フローラを改善する方法については、「腸内フローラ改善生活」のサイトをご覧ください。